2025年1月中旬、イギリスのハル大学(University of Hull)で開催された卒業式に出席してきました。
数年前から香港で社会人学生として履修していたプログラムを無事修了し、その本国での式典に参加するためです。学習期間はすべて香港のキャンパスでしたが、卒業式はイギリス本校の式典を選択することができました。私にとって初めてのイギリス訪問となり、非常に感慨深い体験となりました。
香港で学び、イギリスの学位を取得するという選択
私が専攻したのは、香港の教育機関 HKU SPACE を通じて提供されている、マーケティングとマネジメントの学士課程プログラムです。 授業は香港で行われますが、修了するとイギリスの大学から学位が授与される仕組みです。カリキュラムや評価基準はすべて本国に準拠しており、グループ課題やレポート(エッセイ)を中心とした、非常に実践的かつアカデミックな内容でした。

プログラムの詳細:https://hkuspace.hku.hk/prog/ba-hons-marketing-and-management
ハル大学(University of Hull)について

ハル大学は1927年創立の歴史ある国立大学で、イギリスで14番目に古い伝統校です。2024年の世界大学ランキングでは401-500位にランクインしており、これは日本の東京医科歯科大学と同等のレンジにあたります。 当初は「学位の名前だけがイギリスのものなのだろうか」と思っていましたが、実際には本国から講師陣が来港して集中講義を行い、最終的な課題の採点まで責任を持って指導してくれました。また、現地の学生と同じオンラインシステムやライブラリを利用でき、本校と同じ水準の学びが保証されていました。
社会人としての学び直し
このプログラムには、年齢もバックグラウンドも異なる多様な学生がいました。仕事を続けながら学ぶ人、キャリアチェンジを目指す人。共通していたのは「今の自分に必要だから学ぶ」という強い姿勢です。試験の点数以上に、論理的な考え方、調査方法、情報のまとめ方を徹底して叩き込まれたことが、非常に印象に残っています。
香港のキャンパス:金鐘(Admiralty)の様子
校舎は香港の中心地、金鐘(Admiralty)駅に直結した「United Centre(統一中心)」と「Admiralty Centre(海富中心)」の中にあります。



ビルの中にある校舎ですが、学生が集中できる環境が整っていました。



英語と広東語の「デュアルモード」な授業
英語開講のコースでしたが、受講生の多くが現地香港人ということもあり、実際には英語と広東語が併用される「デュアルモード」で進行しました。 講師が英語で説明した後、同じ内容を広東語で補足するというスタイルです。英語で理解しきれなかった部分を補完できるメリットはありましたが、実質的な講義密度を考えると、3時間から5時間に及ぶ集中力を維持するのはなかなかハードでした。
厳冬のイギリスでの卒業式
卒業式は1月、極寒のハルの街で行われました。夏季の式典も選べましたが、スケジュールの都合で1月に決行。ロンドン在住の香港人の友人の家を拠点に、ハルまで列車で旅をしました。初めてのイギリスはどこを切り取っても美しく、素晴らしい小旅行となりました。
3年間の学生生活を経て、初めての学位(Bachelor’s degree)を手にできたことは、私の人生の大きな節目となりました。この達成感を胸に、この後、マニラで開催される WordCamp Asia での登壇準備へと突き進むことになるのでした。
